自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

吹き荒れる砂の景色を覚えているよ

遠く山のような稜線が見えていた

乾ききった世界にくっきりと


あそこには何もないんだ

それはわかっているけど空想をする

想像できる限りの美しい世界を


ある日、僕はクレヨンを拾ったんだ

色のない世界で長い間熟成された

ないはずの色が凝縮された鉱物


ねぇ、それは何色だったかな?

有り合わせのキャンバスを作って線を描く

あの稜線を、美しい色で描く


ただの一本の線じゃないか

誰かが笑って言っていた

けれど、心が暖かく優しくなる人もいた


また明日も来るね、なんて約束を

何度交わし、何度守られなかったことだろう

僕はクレヨンを握りしめて待っていた


ほんとは知っていたんだ

どうしたって抜け出せない現実や

また明日の来なかった人たちの理由を


燃え尽きるお香のように急激に

僕たちの命は尽きるんだ

僕はきっと最後まで世界を夢見ていた


大切な大切なクレヨンを握りしめて

たくさんの笑顔を見られたことを誇りにして

きっと最後まで世界を夢見ていたんだ



PS

ずっとずっと昔、私はこんな世界にいた気がします