自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

空模様

悠然と平然と流れていた

なんの憂いも不安もないように


冷然と影がよぎる、何かを隠すように

まるでそこに何か秘密があるように


影はいつの間にか増えて固まった

集まり重くなった影は次第に落ちていった


そして停滞して見えた流れはやがてまた

悠然と平然と流れていた

痛み

あなたの痛みを私は知らない

私はあなたになったことがないから

あなたが傷つき悲しみ泣き腫らし

まるでピカソの泣く女のように

ぐしゃぐしゃの顔をしていても

その痛さが私にはわからない


あなたの痛みを私は知らない

私はそんな思いをしたことがないから

毎日を変わらぬように過ごしながら

ときどきの場面で涙を流し

ひたすら自分で自分をなぐさめて……

そんな健気さの一切がわからない


あなたの痛みを私は知らないけど

いつかその痛みを私も知るときがくる?

だったらそのときのために

少しでも優しくあなたのそばにいて

あなたの涙を癒やし、あなたを笑わせ

いっときでもはやくその痛みを消そう

世界は嘘でできている

世界は嘘でできている

他愛なく優しい嘘で

まるで母が子に語る寝物語のように

優しく甘い誰も傷つかぬ嘘で


世界は嘘でできている

愛のある平凡な嘘で

まるで恋人同士がささやくような

そんな愛のあるありふれた嘘で


世界は嘘でできている

罪のない真実の嘘で

宇宙があるとかないとか

海の成分だとか目に見えないことは

みな誰かが信じているだけの嘘


でもそれでいい

世界の全てが嘘でいい

全て嘘なら誰も何にも恨まずにすむ

世界は嘘でできている