自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

ファンタジーのブログ記事

ファンタジー(ムラゴンブログ全体)
  • きれいなガラス面についた手のあと

    PS これからはTwitter投稿にしようと思います 見てくださった方々、本当にありがとうございます 石佳

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  • 世界が私に押し付ける

    世界が私に押し付ける きまった抜き型を押し付ける そして首をかしげる どうしても抜けないのだ 他の生地は簡単に型抜きしてしまったのに この生地はどうもうまくいかない 何度もこねまわし伸ばして それでも言うことをきかない 仕方ないからその生地は 一緒に焼いてから捨ててしまった 世界は私を捨てたんだ ... 続きをみる

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  • 時が巡れば……

    私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの でも彼女は歩けない 毎日天を仰ぎ、降る水を待ち望み口を開ける あんまり待ちすぎて、カラカラに枯れ果てるときもある でも時が巡れば、また彼女が芽吹く 私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの 彼女は歩けないから、私が水をあげるの 降る水を待ち望む身体に水... 続きをみる

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  • お姫様

    ため息はルビー 退屈はサファイア 憂鬱はエメラルド 時間は全てダイヤモンドに変わる 頭にあるのは重たいティアラ ため息の数ほど 退屈の数ほど 憂鬱の数ほど 生きた時間の数ほど ティアラの宝石たちは きらきらと輝く そして私は暗い顔 ため息色したルビーと共に 退屈色したサファイアと共に 憂鬱色したエ... 続きをみる

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  • 君へ……

    君は積み木遊びをしている 小さな手のひらで、小さな世界を構築してる 小さなお城のお姫様はきみ…… 君は鮮やかな光に埋もれている バラの低木も、君にとっては香しい森 小さな心は残酷で、美しいバラの精の洋服を 引きちぎってはバラまいて、引きちぎってはバラまいて…… いや、君こそバラの妖精なんだ 君は穏... 続きをみる

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  • 枯山水

    枯山水の静けさは 時空を越えた異質な空間 屋敷の奥からりんの音が響き 庭へと行き着くさまは 宇宙から星の光が届くよう その音色を追いかけて 追いかけて追いかけても 屋敷の奥にはだぁれもいない 枯山水の静けさと 夏の光に蝉時雨 白く眩しい太陽へ 庭の玉石が照りかえす 浄土とはこんなところか…… 異質... 続きをみる

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  • あなたのカケラ

    あなたのカケラがここにいる 慌ててはねのけた布団 脱ぎ捨てたスリッパのかたち ずれたマット 開けっ放しの扉から見える世界で 少し前のあなたに想いを巡らせる あなたはいないけど…… あなたのカケラはここにいる 走り書きで残されたメモ用紙 水を飲んだコップ 少し開いた引き出し 放り出されたボールペン ... 続きをみる

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  • ただひたすらに破滅へ向かう王がいた 彼は死にたいわけではない ただひたすらに試しているのだ 民の忠誠がいかほどのものなのか 彼はひたすらに不安なのだ 生まれながらにある地位が 父の祖父の偉大さが 彼のものでない威厳が 愛を試しているのだ 愛が壊れるそのときまで ただひたすらに愛を欲し 民がどこまで... 続きをみる

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  • いつかそのときがくるまで、ずっと……

    明日を思う どんぐりを埋めるリスのように明日を思う 明日も生きられると信じてどんぐりを埋める 今はまだ残していくものが多すぎる 今はまだあまりにも覚悟が足りない 明日を思う 冬ごもりをする熊のように明日を思う また目覚めると信じて寝床にもぐる 今はまだ準備が出来ていない 今はまだ使命を遂げていない... 続きをみる

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  • そういうふうにできている

    黒い人影の中を私は泳ぐ 大きな小さな波のような人の身体 誰の顔も判別できない闇の中 昼の仮面を脱ぎ捨てた夜の人は みな同じ言葉を話し みな同じ本質を持っている 仮面の下にはみな同じ血が 生命の源に続く同じ川が流れている 同じ血がこんこんと湧き出て 私たちは実はみな同じ 実はみな簡単に分かり合えるの... 続きをみる

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  • 黒猫

    猫はいつものように窓を見上げた そよそよと風の入る高窓と かろやかにはためき影をつくるカーテンとを 猫は、しなやかな黒い身体で カーテンの作る影を ひらりしゃなりとゆらしてかわす 窓から注ぐおひさまの香りに 満足気に目を細め、のどを鳴らし 今日も自由と気ままに眠る 猫の自由は空いた窓 いつでも出ら... 続きをみる

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  • WAR

    WAR それは怪物 それは悪 それは血の色 それは優しさ それは善 それは愛の本質 愛しいもののために悪を殺し、 愛しいもののために血を流し、 愛しいもののために死ぬ 世界平和を歌うことは簡単だけど、 世界は愛では救われない 誰もが知りうる、誰もの虚言 子供のために子供を殺して 愛する人のために誰... 続きをみる

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  • タイプタイプタイプ………

    誰も何か言っているようで言っていない 仮面を被ったままでモゴモゴと 責任は誰も取りたがらない まるで霧のように実態がない 聞きたくない文字の羅列が降り注ぐ 顔をあげてもそこには何もない 人なのか人でないのか 中傷も嘲笑も音のないリアル みな何か言っているようで言っていない 全てはどこかからの引用で... 続きをみる

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  • 人狼

    人に扮した狼が 獲物をもとめて彷徨い歩く 今宵は暗く今宵は暗く 匂いを追って夜の街を…… 狼は誰だ?奴は一体、何者だ? 疑心暗鬼が街を覆う 罪もわからず誰かを裁く 狼は彷徨う、昼は心に、夜は街に 狼は誰だ?お前は本当にお前なのか? 誰かが創った狼が、昼夜を問わずに跋扈する 街に平和は戻るのか? 罪... 続きをみる

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  • 月夜

    あぁ、彼女にはかわいそうなことをした 誰かが大仰につぶやく あぁ、彼にはかわいそうなことをした! ふさわしいのは月の光にセレナーデ? 今宵は満月、今宵は宴 祝杯をあげろ、セレナーデ! いやいや、今宵はレクイエム 心は千切れ、想いは裂かれ あぁ、かわいそうなことをした! 睦まじき誰かは妬ましい けれ... 続きをみる

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  • キス

    甘えたキスに甘い恋 甘い唾液が流れ込む 二人の甘さは止めどなく 一瞬の蜜月が永遠のいのちをいだく 言葉は何にもいらなくて 世界は二人で完結してるの…… あなたの手のひらが私のそれだし、 私の唇は、あなたの熱で溶けてしまった 私はあなたで、あなたは私なの 二人で完全な私たちは、 どうして離れなくっち... 続きをみる

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  • 深淵

    大いなる深淵が魂を呑み込む 足らぬ足らぬ、まだ足らぬ 深淵はここにそこに 海の中に山の中に よく知る道にも家の中にも まるで見境なく深淵が口を開ける 多すぎる魂は深淵が呑み込む たくさんの虐殺を深淵は引き起こす まるで蟻地獄のように 魂は引き寄せられ呑まれていく 人の数ほど深淵が ぱっくりぱっくり... 続きをみる

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  • 窓際に活けられた一輪の花が 無機質な壁のそばの優しい彩りが 「まだ私はあなたを忘れていませんよ」 と、でも言いたげに 美しい色でうなだれがちに自分を見ている その花はけして枯れずに変えられて 季節が移ろい、窓の向こうが冬になっても 変わらず美しい色で自分を見ている 「まだ私はあなたを忘れていません... 続きをみる

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  • 吹き荒れる砂の景色を覚えているよ 遠く山のような稜線が見えていた 乾ききった世界にくっきりと あそこには何もないんだ それはわかっているけど空想をする 想像できる限りの美しい世界を ある日、僕はクレヨンを拾ったんだ 色のない世界で長い間熟成された ないはずの色が凝縮された鉱物 ねぇ、それは何色だっ... 続きをみる

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  • 大丈夫

    大丈夫大丈夫 その人の口癖は大丈夫で どんなに無茶に思えるプロジェクトも 上司の急な方針転換も どんな無理難題も 大丈夫大丈夫 そう言い聞かせて切り抜けてきた もちろん成功もあれば 失敗だってあった そしてどんなときも 大丈夫大丈夫 その言葉が隣にあった 彼はどんな気持ちでいたのだろう? 大丈夫大... 続きをみる

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  • 世界が丸いというのなら

    ※雑誌、詩とファンタジーに掲載された詩です 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあるのでしょう 世界が丸いというのなら、 怖い世界もあるのでしょう 目に見えない、 小暗い世界は知りません 日の当たる、 よく知る世界で生きてきた 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあるのでしょう 世界が丸い... 続きをみる

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  • 声の森(図書館)

    ざわざわざわざわ、声の森 黒くうごめくたくさんの声が あちらこちらと私を招く ねぇ、ほら、こっちだよ 違う違う、あっちへおいき さぁ、よく来た、いい子だね 声はよしよしと頭を撫でて いいものをあげると笑って言った さぁ、顔をあげて 私をよく見るんだよ そら、これは甘い蜜だよ まるで毒のように甘い知... 続きをみる

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  • 心半分

    もし私のことを とても思ってくれるなら 心を半分残していこう あなたが心配しないように 寂しくならないように 半分だけ私を置いて帰ろう もし私のことを とても頼りにしてくれるなら 心を半分残していこう あなたが心細くならないように いざというときのために 半分だけ私を置いて帰ろう 私がとても大事に... 続きをみる

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  • GO

    君と行く 君と行くんだ、どこへでも けだるげに君が手を振り払い ものうそうに髪を掻きあげる でも行くんだ、僕は君と 僕は君と生きたい 君が悲しげに首を振り 顔を覆ってしまったとしても 僕はいつでも希望とともにある 僕は生きるんだ、君と 僕は手を差し伸べる 君から届かない位置に手を差し伸べる 君は泣... 続きをみる