自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

ねこちゃん

あなたの毛色は甘い栗色ね

でも、あなたの腕も足も首筋も全く白で、

どうして二つが共存しあえるのか……

不思議な感じがするわ


あなたの目は、若いオリーブのようよ

でもやっぱり、まつ毛は白いの

ときどき私と目を合わせ、

ときどき逸らすそのときに、

まつ毛の白さはよくわかる

触ったら、きっと怒るわね

私はそっと、そのまつ毛の白さを思うの


けして触れあわず、あなたを思っていると、

安心したのか、

あなたは丸くなって寝息をたてはじめる

あなたの甘い栗色が、

あと足のつけ根で上下する

あなたはお人形さんじゃないのね

私はそれを見ながら、

あなたの側に、ただ座っている

ときおりあなたを見てみるけれど、

あなたは全く気付かずにいるわ


しばらくぼんやりしていると、

私とは打って変わった騒がしい人たちが、

無造作に入ってきた

私も驚いたけれど、あなたも驚いたみたい

私があなたを見たときには、

すっかり頭をあげて、

何事? と私の匂いを嗅いで見上げた

どしたの?

私が口の動きだけであなたに伝えると、

あなたは少し頭をうなだれて、

私の匂いをもう一度嗅ぎ、

また丸くなってしまった

けれど、今度は頭をあげて、

どこか遠くを見つめていたわ

私はあなたに触れたくなったけれど、

触れずにすんなり席を立ったの


あのときのこと、

あなたは覚えていないでしょう?

私も、こうして書き留めておかないと……

忘れ去ってしまうわ

たわいないことだものね