王
ただひたすらに破滅へ向かう王がいた
彼は死にたいわけではない
ただひたすらに試しているのだ
民の忠誠がいかほどのものなのか
彼はひたすらに不安なのだ
生まれながらにある地位が
父の祖父の偉大さが
彼のものでない威厳が
愛を試しているのだ
愛が壊れるそのときまで
ただひたすらに愛を欲し
民がどこまで許してくれるのか
彼は死にたいわけではない
彼のために民が死んでくれることが
彼にとっての忠誠の証
彼のために民が殺めてくれることが
彼にとっての忠誠の証
それがどれほど愛しいものであっても
どれほど大切なものであっても
彼のために、彼のために……
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