自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

日常のブログ記事

日常(ムラゴンブログ全体)
  • 世界は嘘でできている

    世界は嘘でできている 他愛なく優しい嘘で まるで母が子に語る寝物語のように 優しく甘い誰も傷つかぬ嘘で 世界は嘘でできている 愛のある平凡な嘘で まるで恋人同士がささやくような そんな愛のあるありふれた嘘で 世界は嘘でできている 罪のない真実の嘘で 宇宙があるとかないとか 海の成分だとか目に見えな... 続きをみる

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  • 成長

    今日もまた、私が私であることへの ほんの少しの違和感が またひとつ私を大人に近づけてくれている そんなことを思いながら 毎日、合わない服をまとうように もどかしげに身じろぎする そして昨日の後悔を今日へと繋ぎ 今日の失敗を明日へと活かし 一歩ずつ着実に魂は昇り 今日より明日、明日より明後日 清らか... 続きをみる

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  • あなたとわたし

    あなたの世界を私は知らない あなたの生きてきた一秒一秒を 同じように生きてきたんじゃないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたと同じ角度同じ位置で 世界を見たことなんてないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたが語らなかった思い出を 見透... 続きをみる

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  • パウンドケーキ

    バターの海に雪が降る 白い砂糖の雪が降る 海に高波、ザザンザザー 砂糖の色に溶けていく まきろな海は淡く白く 空気を抱いてふぅわり潮が満ちていく ポツリポツリと雨が降る 黄色い卵のにわか雨 海の色を戻すよに、同じ黄色の雨が降り、 雪もまけじと粉雪散らす 小麦の雪がどっさりふわふわ 海の波間に沈んで... 続きをみる

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  • ジャングル

    鉛色の重たい金属の地面から パイプがひょろひょろ生えている もやしみたいに細い茎と 太い葉っぱのパイプ ときどき蛍光灯の花が キラキラキラキラまたたいて まるでジャングルのように つるくさのように コードが垂れたりからまったり…… ジャングルを歩くように ざわざわざわざわ ざわめきがして 鉄砲のよ... 続きをみる

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  • ひととき

    赤いポットがフツフツコトコト 赤い紅茶がチャプチャプじわじわ 白いミルクはカップにダイブ 赤と混ざってキレイな淡い褐色になる 午後の小さなひとときを 甘い紅茶に酔いしれる たった少しの美味しいお茶が ほっと一息つかせてくれる 甘く優しく幸せを運んでくれる こんなにも単純に幸せになれる 小さな魔法を... 続きをみる

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  • 記憶

    うだるような暑さにうとうとうとうと 暑いけれどおひさまは心地よくて、ときおり吹く風が涼しくて、うとうと眠ってふっと目を開けた 目に飛び込む鮮やかすぎる緑色 キレイな空、赤いトマトと深い紫のナス 宝石みたいなかわいいトマトに手を伸ばす それに気づいた大きな手がトマトをもいだ 渡されたトマトを口に入れ... 続きをみる

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  • 日記

    その昔、私を癒やしてくれたのは白樺の絵 ピアノの置いてあった部屋にかけられていた 北海道かどこかの白樺の絵 眠れない夜に、一人静かに佇んで、 幼いながらに心を静めていた その昔、私を癒やしてくれたのは汽車の絵 帰り道の廃業したクリニック その窓から見えたトンネルを出る汽車の絵 あるいは行きつけの歯... 続きをみる

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  • ねこちゃん

    あなたの毛色は甘い栗色ね でも、あなたの腕も足も首筋も全く白で、 どうして二つが共存しあえるのか…… 不思議な感じがするわ あなたの目は、若いオリーブのようよ でもやっぱり、まつ毛は白いの ときどき私と目を合わせ、 ときどき逸らすそのときに、 まつ毛の白さはよくわかる 触ったら、きっと怒るわね 私... 続きをみる

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  • タイプタイプタイプ………

    誰も何か言っているようで言っていない 仮面を被ったままでモゴモゴと 責任は誰も取りたがらない まるで霧のように実態がない 聞きたくない文字の羅列が降り注ぐ 顔をあげてもそこには何もない 人なのか人でないのか 中傷も嘲笑も音のないリアル みな何か言っているようで言っていない 全てはどこかからの引用で... 続きをみる

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  • 私はここにいるようでいないのだ

    私はここにいるようでいないのだ 毎朝当たり前に起きて身支度を整える それももちろん私だが…… いつか砂漠を、荒野を旅したのも私だし いつか深海へ潜ったのも私だし いつか異国のゴールテープを切ったのも私だ だから私はここにいるようでいないのだ 私はここにいるようでいないのだ いつか十字架にはりつけに... 続きをみる

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  • カゥ

    私は私を買う 私は私を食べる ちぎって食べる 私は私を殺して また私になる 私の欠片たちが売られている 血となり肉となる私の欠片たち だから、私は私を買う  私は私を食べる ムシャムシャ食べる 私は私を殺して 私は私を溶かして 私は私になるの 私は私の手をちぎり足をちぎり 肉塊を噛み締めて 細胞の... 続きをみる

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  • シュプレヒコール

    デモだデモだ、行進だ 今こそ果敢に足並み揃えて さあ声高にシュプレヒコール! 仲間はどんどん増えていく 不満が煮え立つ鍋のよう ぐつぐつぐつぐつシュプレヒコール! 我々はただ人並みに 生きて死にたいだけなのです 自然な叫びのシュプレヒコール! デモだデモだ、行進だ 警官隊も足並み揃えて さあ声高に... 続きをみる

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  • 粒子(龍子)

    リュウは今日も飛んでいる 雲に紛れて遊んでいる 陽炎のようにゆらゆらゆらゆら 時折雲が、雲でない動きをする リュウは意外と晴れた空が好きだ 雨空を急流下りのように遊ぶのも楽しい ただ、雲間を8の字のようにくねるのも好き 時折小鳥が、ふざけて背中にとまるのも リュウは今日も飛んでいる 雲に紛れて遊ん... 続きをみる

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  • 風がどうしようもないことに苛立つように 無秩序に荒れ狂い、唸っている 何かを返せと叫んでいるようだ 気に入らない、気に入らないと 暴力的に薙いで、泣いている どこかわかってほしいのかもしれない 自分がここまで苛立つ理由や もう我慢の限界だということ 本当は怒りでなく痛みで泣いていること 傷ついた心... 続きをみる

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  • ねことかみなり

    遠くかみなりが鳴っている 音も光も間隔も不規則に 夜闇の中で遠く遠く…… まるでねこのお腹の中みたいだ あの不規則な音はノドを鳴らす音 あの不規則な光は獲物を見つけた瞳 時折ねむりを妨げられながら ねこのように丸くなりながら 夢のように、うつらうつら PS 2019年、今年、梅雨入りの雷を聞いて

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  • 変化(まとめ)

    ※変化、まとめです 昔の自分のことですね、今、少しは変われてるといいなと思います

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  • どうして?

    どうしてかわいそうなんて言葉をかけるの?  魂は四次元のもので あの人は同じ時代に生まれ変わって 今この瞬間、同じ時間を、どこかで 同じくらいの歳で笑っているかもしれない この世界で生きていることが あちらでは死んでいることかもしれない 此岸と彼岸とを行き来して そのどちらの世界でも 同じように生... 続きをみる

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  • 深淵

    大いなる深淵が魂を呑み込む 足らぬ足らぬ、まだ足らぬ 深淵はここにそこに 海の中に山の中に よく知る道にも家の中にも まるで見境なく深淵が口を開ける 多すぎる魂は深淵が呑み込む たくさんの虐殺を深淵は引き起こす まるで蟻地獄のように 魂は引き寄せられ呑まれていく 人の数ほど深淵が ぱっくりぱっくり... 続きをみる

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  • 窓際に活けられた一輪の花が 無機質な壁のそばの優しい彩りが 「まだ私はあなたを忘れていませんよ」 と、でも言いたげに 美しい色でうなだれがちに自分を見ている その花はけして枯れずに変えられて 季節が移ろい、窓の向こうが冬になっても 変わらず美しい色で自分を見ている 「まだ私はあなたを忘れていません... 続きをみる

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  • お昼寝

    小春日和のうららかさに 切り取られた空を見上げ目を閉じる 身体の上を雲が走る 喧騒は雨のようだ あるいは潮の満ち引き 眠りの中に沈む かたちのない夢を見る 届かない言葉がざわめきになるような オーロラのような夢 切り取られた空が消えかけている 身体の上をうっすらと影が覆う 無造作に手を振って影を追... 続きをみる

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  • さよなら

    君がいなくなっても続く日常は 何も変わらないからこそ残酷で 当たり前に見ていた姿も 当たり前に聞いていた声も いなくなってはじめて 明確な形のなかったことを知る 君が私の中に融けてしまったのなら いつでも取り出し声を聞き 君のアドバイスに耳を傾けられるのに 君はどこか遠くへ 遠くへ行ってしまった ... 続きをみる

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  • 都会

    あの頃一番都会だった町は 歳とともに段々都会ではなくなって そのうちいわゆる田舎を離れて 私はいわゆる上京をした 誰もが認める都会で 時折誰かが、寂しくはないかと尋ねる 寂しいとはどういう感情なのだろう? どこにあっても私は私なのに…… イントネーションの違いが 如実によそものだとわからせる どう... 続きをみる

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  • ありのまま

    ありのままの日常を ありのままに綴ろう 日がのぼるとか 日がしずむとか そんなこと 今日の朝ごはんのこと 明日も続くだろう日々のこと 楽しい驚きと、憎らしくなるくらいの平凡と 何も変わらないようで 一日歳をとった自分のこと ありのままの日常を ありのままに綴ろう 今日も同じ時間にベルがなること 電... 続きをみる

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  • 誕生日

    何でもないこの日を 何でもないように祝おう この世界のほぼ何十億人が知らない 単なる日を特別な日に変えて祝おう 何でもないこの日を 何でもないように祝おう 日々の雑事にかまけて忘れてしまう そんなささいな一年の節目 何でもないこの日を 何でもないように祝おう この一刻が成長の証で この一刻が死への... 続きをみる

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  • 帰郷

    見慣れていたはずの景色が 聞き慣れていたはずの地名が 馴染みのないものになっていたことに驚き 懐かしいはずの景色に何の感慨も起こらず 離れてもなお故郷の住人という自負は崩れ お前はもう違うのだと告げられたようで 家族は不思議と優しく思え 自分の物たちは思い出に変わり 居心地はよくても居場所はないよ... 続きをみる

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  • 帰省中に

    それまでキラキラしてたものが 突然キラキラと見えなくなると 少しだけ少しだけショックを受ける 私が成長したからであると思いたい けれど大切に大切に キラキラを仕舞ってきたはずなのに それが無意味になったような虚しさ そうか、こんな世界にいたのか、なんて もう、終わったこととしてとらえながら 私の命... 続きをみる

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  • あなたのために2

    あなたのためにうたをおくろう あなたが大きくなったとき めでたい席にうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが大人になったとき あなたの成長に感謝してうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが新たになるとき 新しいあなたを歓びうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう 輪... 続きをみる

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  • 声の森(図書館)

    ざわざわざわざわ、声の森 黒くうごめくたくさんの声が あちらこちらと私を招く ねぇ、ほら、こっちだよ 違う違う、あっちへおいき さぁ、よく来た、いい子だね 声はよしよしと頭を撫でて いいものをあげると笑って言った さぁ、顔をあげて 私をよく見るんだよ そら、これは甘い蜜だよ まるで毒のように甘い知... 続きをみる

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  • CAMERA

    ある日ふと撮った 何気ない景色が、何気ない仕草が 急にかけがえのない思い出になる いつでも手の届く場所にあったそれらが いつの日か手の届かない場所へ行ってしまう そんなことは知らずに ただ愛しいものをフレームに収める 空気と匂いと感情と 時間と空間のカケラ けして手に入らないものも フレームに収め... 続きをみる

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