自作自由詩 SeKKa-PoeTry

自作の自由詩かいてます

あたしがうまれたとき

あたしがうまれたとき

世界はまっさらな可能性で

何にでもなれるあたしはみんなに祝福された

空の色、雲の色、星のキラめき

美しさはまっすぐ胸に届いた


あたしが大人になったとき

まっさらな可能性は塗りつぶされて

幾本かの白い筋だけが残った

空をきれいと見上げることもなく

雲の形で遊ぶこともなく

星のキラめきを美しがることもない

ただ足元を見据えて自分の道を決めた


あたしがうまれたとき

まっさらな可能性だった世界は

一つ歳を重ねるたび

一つ手習いを諦めるたび

時々刻々と白さを消して

あたしの前に幾筋かの跡だけを残した

ねぇ、その白さはほんとう?


あたしがうまれたとき

世界に可能性は何もなくって

あたしが大人になったとき

世界は可能性に満ちあふれていた

一つ歳を重ねて

一つ新しいことを知って

白いキャンバスは塗られていった

知識の色で塗られていった

むしろ選べる世界は増えていった